物理哲学!

物理学について私が考えたことをぶつぶつ呟きます。

数M理論![12]~相対性理論との融合~

[目次]

訂正]この度は大きな訂正を行いました。そのついでに読みにくいと思われる部分の修正も行いました。(2023/08/28)

訂正2]この絶対論理空間モデルと相対性理論は根本的に矛盾していると考えられます。(n,m,r)の組を操作させても今のところうまく説明できません。数M理論を維持するためにはプランク空間の考えを修正するよりほかないかもしれません。

序文

初めての方のために解説します。発見当初の名にちなんで本理論を数M理論と書くことにします。本数M理論は、物理学対象は数学論理要素そのものであり、公理から導き出される数学要素と物理学要素が完全一対一対応をしているとする仮定を根幹に持つ理論である。それを理解するには初号★MP等価性からビッグバンメカニズムへ - 物理哲学!が一番分かりやすいと思う。①MP等価性 及び ②ビッグバンメカニズム が本理論の最も大きな主張である。しかし今回は本理論から考え得る新たなる事象へと拡張を試みることにする。

さて、今回は相対性理論との整合性の主張をする。まず注意したいのは、相対性理論とは現在の宇宙に対する理論であると私は考える。なぜなら数M理論によれば、現在の宇宙は膨大な数の論理展開の結果、論理平衡状態に至ったものであり、「距離」や「速度」などと言った概念はあくまで現在の宇宙においてのものであるからで、また初期論理状態に対応する初期宇宙の状態は非常にダイナミックであるため「距離」などの概念は存在しなかったと思われるからである。そのため「速度」に対する理論である相対性理論は本質的に初期宇宙にも対応するものであるとは言い切れない。(「速度」が初期宇宙からある基本的な概念かもしれないが・・・)

従って、初期宇宙に見られるように初期からの論理展開に焦点を当てるのではなく、現宇宙の「3次元」空間のモデルを考えれば良いのではないかと思うのである。よって3次元空間のモデルを考えたい。しかし3次元空間をそのまま取扱うとなると話が厄介だ。よって基本的に1次元の話に限定したいと考えている。

前回の記事で9号★数M理論!~振り返ってみて思ったこと~ - 物理哲学!においてのモデル、ツリーモデルは適切ではないかもしれないと書いたが、それは以下に示すような1次元モデルを考案するに至ったからにほかならない。

 

<1次元モデル>

1次元モデルとはツリーモデルで取り扱わなかった幾何学的意味を持つモデルである。ツリーモデルでは分岐した論理とは絶対に再結合しないモデルであったが、1次元モデルでは分岐した論理と再結合しうる。現在の宇宙は1プランク体積毎に1論理文が存在していて各論理文によりこの宇宙は埋まっている状態である。その下で各点にある論理は1プランク時間後に1プランク長隣のスペース「1Ps」へ移動(=光速)するか、またはその場に留まることになり、その場に留まる場合は論理変位し、移動する場合は論理変位しないとする。これは相対性理論において低速の物体は時間変化が生じ、光速移動する論理は変位しないという結果へ適合するために生じる仮定である。

他にも同じPsに入った論理が結合する、より一般のモデルも考えたが、取りあえずは他論理との結合についての考察は含めないことにしよう。その上で<また別の記事で>必要に応じて一般のモデルを論じるというスタイルを取ることにしたいと思う。

さて、この論理反応しないモデルを単に「シンプル1次元モデル」と書くことにさせて頂くと、シンプル1次元モデルの一例として図を描けばnプランク時間の間に居留まって変位したり移動する代わりに変位しなかったりすることが順にn回発生する。以下、例を取って2パターンを載せてみる。

 

その前にお断りしておくと、相対性理論において絶対的基準を与えないという原理を宣言したものと思うが、数M理論では大胆にもこの原理を棄却し、絶対論理空間というものを主張する。「エーテル説に戻ってしまったではないか!」という声が聞こえてきそうだが数M理論を前提とする上ではこれは必要なことなのである。少なくとも1プランク体積1論理文なる仮定の下では必然なのである。おこがましいことは重々承知だが、ご了承頂きたい。

一次展開01

 

まず、最初に簡単にローレンツ変換における時間と長さの変換則を例にとって考えてみる。系Sに対し系S`が1次元方向に一定の速度Vで移動しているとする。⇒が移動を表し、〇が停留を意味する。絶対経過時間をTとし系の絶対移動距離をLとするとT=5、L=3であり、2つの系の間の速度はV=3/5となる。この時、総プランク時間数=n、停留点(〇)の数=m、逆向き(←)の数=rとするとL=δ(n-m-2r)であり、従ってV=δ(n-m-2r)/τn 但し、m+r≦nとなる。

また、S`での相対経過時間は変位数に比例することからt=τmであり、その間におけるSでの経過時間はT=τnであった。ここで経過時間に関してのローレンツ変換則はt=γ-1T。ここにt=τm、T=τnを代入して \small \gamma = \color{green}{ \dfrac{n}{m}}。ところで \small  \gamma = \dfrac{1}{\sqrt{1-\left(\dfrac{v}{c}\right)^2}} だから  \small  \dfrac{n}{m} = \dfrac{1}{\sqrt{1-\left(\dfrac{v}{c}\right)^2}} でかつ  \small \dfrac{V}{c} = 1- \dfrac{m}{n} - \dfrac{2r}{n} なのでTに対し変数3方程式1の束縛関係である。

次に2つの系における長さは静止系Sでは通過論理数に比例すると考えられるからl∝T∝n=5。またS`系の通過論理数はmなのでS`系での長さはl`∝t∝m=2である。従ってl`=l/γより先ほどと同じく \small \gamma = \color {green} {\dfrac{n}{m}}を得る。このように少々こじつけではあったが、γの値が経過時間と長さにおいて同じ式で表され、厳然たる相対性理論の帰結の一部について数M理論と整合することが示されたのである。

実際は、ローレンツ変換

     t^{'} = \gamma \left( t- \dfrac{vx}{c^{2}} \right)

     x^{'} = \gamma \left( x- vt \right)

を満たさなければならないが、例えば第一式において与えられたxに対して改めて経過時間tとしてt=τn、t`=τm、c=1、  \small \dfrac{V}{c} = 1- \dfrac{m}{n} - \dfrac{2r}{n} \small  \gamma = \dfrac{1}{\sqrt{1-\left(v/c\right)^2}} と、3変数により決まる左辺及び右辺の間に方程式1つが成立っているから自由度は2となる。

ここで第2式については左辺x`が自由だから方程式は増えることにはならない。これで3変数に対し満たすべき方程式は1つとなり、自由度2の「解空間」があると考えて良さそうである。(議論に誤りがある可能性あり!)

※先程は \small \gamma = \dfrac{n}{m}であった。ローレンツ変換の第1式からはx=0の時t`=γtとなるような気がするがこれは先に述べた単なる時間の変換則とは係数値が逆数に変わっている。しかしネットの情報はそうであった。しかしよくよく調べてみるとtの定義の仕方が「経過時間」か「寿命時間」かで分かれているようである。確かに逆数となりそうだ。このローレンツ変換への代入式は誤りかもしれない。__

 

さて、このイメージを得るために図を見ていただきたい。

A、Bにおいてはそれぞれ(A)(n,m,r)=(5,0,1)(B)(n,m,r)=(5,2,0)である。この移動する論理A、Bの相対時間は変位の生じた回数と考えtA=0(τ)、tB=2(τ)、距離は通過論理数と考えΔlA=0(δ)、ΔlB=2(δ)となる。従ってvA=0/0=vB=2/2=1となる。ここで0/0≡1と置いた。これは論理が光速で通過するから通過論理数を相対時間で割って光速=cが出ることになる。これが今、c=1(δ/τ)に常に等しいのである。(これは先の議論で暗黙の内に使ってあった)また、各系(n,m,r)の値が異なるからローレンツ変換の式を満たすものと満たさないものとに分離される。従って「論理の進み方」に制限が加わるのだ。よって「論理変位の仕方」なるものが存在すると考えてよいだろう。シンプル1次元モデルにおいて相対性理論による制約が生まれるのである。

先の方程式ではt`を先に決めてしまったが本来ならば右辺の式を既知とし、左辺を一意に導くという形式であると思う。ところが数M理論によれば左辺に右辺による制約が一つ加わるのである。ただ言えることとして、自由度のおかげで他の制限要請に対応しうるほどの大きさの関数空間が担保されるのかもしれないと思うのである。

まとめ

このように『絶対』論理空間を仮定した上で相対性理論との整合性を図ったのだ。この絶対性に数Mの特有の性質がある。相対性理論の諸結果は概ね正しく、それに符合するように数M理論も成立しうると言えよう。特に1プランク体積内の1論理文が1プランク時間につき隣のPsに移動するという仮定が整合性を持って成立しうるということを示せたのである。ただし、上に示した「解空間」の中で現在の論理変位が生じている、即ち現在の論理展開が相対性理論の要請を満たしているという仮定の下での話であることを指摘しておく。

かくして数M理論から示唆される絶対論理空間と相対性理論との一致の『可能性』が見て取れたことと思う。以上で相対性理論との整合性の議論を終わる。

 

さて、読者の方々にとりましてはいかがだったでしょうか?相対性理論と数Mの整合性の主張をかなり強引な議論で行ったので、どこかしらで考察ミスが発生しているかもしれません。相対性理論についての理解はしっかりしていないので、誤りがないかかなり心配なところです。特に静止系Sから見た動く系S`がローレンツ変換を満たしさえすれば他の全ての系の間に対してもローレンツ変換が成立するか、という問題がありますが、吟味するだけの実力はないため、ChatGPTなどネット上での検索結果を拝借しました。ここはかなり怪しいところだと思っており、主張が崩れてしまう可能性があります。

しかしながら、私のイメージでは絶対論理空間が厳然としてあり、その中を論理が移り合っているというもの、つまり各プランク時間に各プランク体積間を論理が動き回っているといった感じであります。イメージの共有だけでもできればいいなと思います。

 

困難な点もありますが、本論により数Mの信憑性が向上したのであれば嬉しいです。

皆さまにおかれましては数M理論により何らかの刺激になればこれ幸いと思います。

 

それではまた!