数M理論![11]~新たなる序章~
◆略号紹介
ME=数学的要素 PE=物理学的要素
数M理論=数学的Mapping理論(本理論)
△類似理論
ChatGPTで調べてみたところ数M理論と少々似た理論の存在を知った。それはMUH=Mathematical Universe Hypothesisというものである。数Mと必ずしも最も近いというわけではないが、同類の理論の中では特に認知度の高いもののようである。
しかしながらMUHは数M理論の中に含まれている、とさえ思っている。なぜならMUHの考え方の基礎は「この宇宙は数学的構造そのものである。」という内容であり、1プランク体積1論理文を始めとした物理学的要素と数学的要素の一対一対応というより踏み込んだ仮定には至っていないのである。また、その当然の結果としてビッグバンの明確な定義などには至っていないようである。
考察内容は書籍の紹介を見た分によるとかなり技術的な部分ではハイレベルであり、数M理論などは到底及ぶことのない代物のようであるが、一方でやや入り組んでいてすっきり感に欠けているのではないかと想像してしまう。
数M理論と似た考えとしてMUH以外にも見られたが、いずれにしても数Mとピタリ一致あるいは数Mを内包するような理論を見ることはなかった。特にビッグバンメカニズムとのつながりについてはっきりと言明しているものは見当たらなかった。
もし、ME-PE完全一対一対応にまで到達しているのならプランク時間の存在は誰かしら知っていることであろうから直ちにビッグバンメカニズムへとつながると思うので、彼らは一対一まで到達していないのではないかと考えてしまう。やはりドラスティックな結論をもたらす数M理論に優越性があるように思える。
復習Ⅰ
さて、以下復習させて頂くと、数M理論の主張の核となるのは
①MP等価性 ②ビッグバンメカニズム
の2点である。これは★初号MP等価性からビッグバンメカニズムへ - 物理哲学!において顕著である。
数M理論はこの「世界」には数学論理しかなく、各数学論理文などの要素と各物理対象とは完全一対一対応をしているという仮定の上にある。その仮定の下で次のように推論するのであった。
[推論]
PEとMEは完全に一対一に対応している。
宇宙の始まりと論理展開の始まりもまた一致する。即ちビッグバンは正に論理展開の始まりそのものだ。
そして論理展開と並行してこの宇宙も時間発展してきた。
そのMP変位は1プランク時間毎に生じるであろう。
―――
ここにビッグバンの明確な定義とPE空間の存在意義を見出せるのである!
また、もう少し推論を進めると現宇宙においては1MEには1プランク体積内のPEが対応するという仮定を設けてもよいであろう。PEの分割の極限がこのプランク体積内のPEと考えられるからだ。これは★第9号数M理論!~振り返ってみて思ったこと~ - 物理哲学!で記載してある。
△プランク単位系
さて、ここで一つ今まで触れなかったことを取り上げてみたいと思う。もうお気付きかもしれないが、プランク単位系の根源は論理展開の細分性の限界にあるだろうと私は推測する。
まず、時間については1プランク時間毎1論理展開という展開数の細分化の限界がある。次に空間についても1プランク体積1論理文という論理文数の細分化の限界がある。時間、空間の最小単位に数M理論を当てはめたという構図とはいえ、数M理論は時空に関して細分性の確証を与えるのである。ここに時間と空間の本質が明瞭な形で言い切れたと考えるべきであろう。数M理論の誇る一つの大きな結論と言える。
復習Ⅱ
さて、復習に戻ると、この「宇宙」は時間と共に展開する数学の論理空間そのものなのであるが、我々はその系の中にいるためその宇宙を構成するPEをMEと区別し、我々の「世界」として見て取ることであろう。我々もまたMEのみから成る存在で「周り」のMEから作用を受けているのでそのMEをPEという形で認識しているのである。「周り」のMEに関しては★9号数M理論!~振り返ってみて思ったこと~ - 物理哲学!で考察をしてみたが、ツリーモデルは必ずしも適切ではないと今は思っている。代わりの案はまた先の記事で触れたいと思う。一方で、我々が習い考えるところのいわゆる『数学』は正に数学というものを外から(そのまま)取扱ったものなのである。
以上が数Mと通常の系の内と外という違いとしてあげられる。これは★第6号数M理論!~万物の本質を語る~ - 物理哲学!あるいは英論記事★第3号MM Theory ~In Comparison with Ordinary Physics~ - Philosophy of Physics !!で語ってある。
まだ書くことはあるが、今回は新たなる始まりの序章ということで、短めで終えることにしよう。またの楽しみにしたいと思う。
それではまた!